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ガン治療とお金の話

『一体どのくらいの治療費がかかるのかしら』
皆さんはご自分の加入している保険をご存知ですか?ご自分の加入している保険の場合、月の自己負担の限度額がお幾らになるのかをご存知ですか?自己負担限度額を超えた場合、どうしたら良いのかご存知ですか?
加入していらっしゃる保険、或いは勤務先によってはご自身で何もせずとも然るべき手続きを先方が行い、払い過ぎた『治療費』が返戻されることはあります。逆に、自己申請しなければ払い過ぎた『治療費』は戻されず、時効をむかえてしまい全く返されない場合もございます。

今回はある患者さんの事例をご紹介いたします。
Aさんは68歳女性です。6月の終わりから体調の変化に気づきました。
背中の痛み、胃部不快感、全身倦怠感。時折微熱も続くように感じていました。
7月になり、お孫さんが夏休みに遊びにくると、お孫さんの相手をしたりお世話をすることが非常に辛く感じるようになりました。
娘さんからは充分な画像診断を行える総合病院を受診するように勧められましたが、介護や習い事で忙しく近隣のクリニックにて受診をしました。時間はかかりましたがクリニックで可能な限り行える検査をお願いし、痛みを止めるためにロキソニン60mgなどを処方してもらい凌いでいらっしゃいました。
しかしながらその結果、どうやら膵臓が腫れており、その大きさは5cmくらいになっている、と診断されました。そこまでの結果に辿り着くには2ヶ月かかりました。当然クリニックでは対応しきれず、まずは鑑別診断をするために地域のがんセンターを紹介され、その日のうちにがんセンターにて受診しました。

がんセンターでは腫瘍マーカーの数値が非常に高いとされ、すぐに入院し膵臓の生検が行われました。それから1週間程度で、Aさんは『膵臓がん』と診断されました。

その日から、ガンの治療がはじまりました。
クリニックからがんセンターに紹介されてから10日足らずのうちにガンの治療が始まったのです。
Aさんの場合、膵臓がんステージⅣであり、遠隔転移があり外科的治療による患部の摘出は不可能でした。がんセンターにおける治療は、抗ガン剤治療の一択でした。

Aさんはまず入院をして抗ガン剤治療を開始しました。家族の、少しでも居心地の良い環境で治療を受けてほしい、との願いから個室に入院をしました。個室は保険外ですからプラス20,000円ほどかかります。

最初の抗ガン剤治療の入院は病状にもよりますが、3日から4日かかります。
一回目の抗ガン剤は無事終わり、Aさんは少しホッとしました。しかし退院後、支払った治療費の総額をみて不安になりました。
生検の検査の入院には65,000円、初回の抗ガン剤治療では135.000円程度かかりました。
それまでは、医療費の自己負担額は月に精々20,000円程度でした。
それが、薬代を含めると、月に200,000円以上の出費となるのです。
困ったAさんは窓口で自己負担額の支払いを抑える制度を知ることになります。