旦那と水筒と氷
旦那は不規則勤務というか、朝出かけたら次の日の夜まで仕事とかが普通の仕事をしている。
結婚してから当直の日は弁当持たせたり夜に弁当を届けに行っていた。
勤務場所が遠方になってからは昼の弁当を持たせるようになったが、食堂でカンファレンスを兼ねて皆で食べる職場とわかってからは弁当は中止に。
そうしたら
水筒
を持たせと欲しい、と自ら買ってきた。
当時は幼稚園児の娘、小学低学年の娘に水筒を持たせていた。
子どもたちの水筒にはお茶や薄めのポカリ。
旦那は自宅で作った水出しコーヒー。
水出しコーヒーは結構コーヒーの粉を使うし、経済的じゃないなぁ、と思っていた。
旦那は昔は、小遣い制がいい、と言ってお財布に数円(本当に、8円とかのレベル)になると、朝になってからお金が無い、という何という困った人だった。
毎月旦那の収入の1割は合計して渡していたから、お金が無いわけじゃないのだけど、なんとなくお金は全て私任せで不安だった。
他のことも重なって、旦那に家計を握ってくれと頼み込み、渋々、渋々通帳などを受け取ってくれた。
私は生活費を定額預かり毎月の収支表を作り表も作り可視化してファイルを送信しているが、見てくれない。
時々思い出したかのように、お金足りてる?と、五万くらい握らせる。受け取らないけど。
ケチな訳ではないし、家計の計算が出来ないわけでもない。
そんな旦那だ。
毎日コーヒーを水筒で持参するより、ペットボトルで買った方が安上がりなんだよ。味も安いコーヒー豆使うし水筒に入れて持って歩くほど美味しくないでしょ、と、と家計簿みながら話した。
そうしたら、真顔で
水筒に入れて欲しい。氷のカランコロンがいいね。
と、言った。
旦那に良く話を聞いたら、娘たちが毎日カランコロンと音を立てて水筒を持っていくのが
羨ましかったそうだ。
旦那の親は朝から晩まで働いており、水筒の準備なぞしないし自分でやることもなかったらしいけど、友人達の
カランコロンが羨ましかったそうだ。
娘たちはかわいい水筒をカランコロンと下げて出かけていき、毎日、今日はお茶がいいとかポカリがいいとかリクエストしていて
羨ましかったと繰り返して言った。
とにかく
カランコロン
の、音に憧れていたそうだ。
だから、ペットボトルじゃダメなんだと。
そうか、そうか、と少し切なくなった。
何となく気持ちが分かる。
私は自分で中学から弁当作ってたから良くわかる。
さみしかったんだね。
もうずっと水筒を持参している。
毎朝コーヒーかお茶かリクエストを聞いて、色々入れてる。
カランコロン
カランコロン
これ、コーヒー
って言うより
お題は
水筒だな…