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脚がつることと腎臓は関係があります

腎臓病と脚のつり

腎臓病と脚のつりには深い関係があります。
脚が頻繁につることに困り病院にて検査をした結果、腎臓に何らかの疾患が見つかったということは珍しいことではありません。たかが脚のつりでしょう、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、脚のつりは消化器系の臓器の疾患を知らせてくるサインのこともあります。

1 腎臓の機能について
腎臓の働きをひとことであらわしますと、尿を作る臓器、というとイメージしやすいかと思います。腎臓は空豆のような形をしています。大きさは握りこぶしくらいで、腰のあたりに左右対称で二つあります。
⑴ 濾過と再吸収の働き
腎臓の大切な役割は濾過と再吸収があります。腎臓には濾過をする働きの部分と、身体に必要なものを再吸収する働きの部分があるのです。それらを総称して「ネフロン」といいます。濾過をするのはネフロンのなかで「糸球体」といい、不必要なものを濾し出します。しかしながら全てが不必要なものではなく、濾し出したもののなかには必要なものも含まれていますので、それらを再度吸収をして体内に留める働きをしているのが「尿細管」です。
この働きがなされないと、尿毒症、痛風、腎症低尿酸血症、Wilson病などの様々な病態となります。

⑵ 血圧の調整
腎臓は塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を調整しています。塩分と水分はセットで排出されます。塩分がうまく排出されずに体内に貯留するということは水分も一緒に体内に貯留するということになります。ですから慢性的な腎臓病は身体がむくむ(浮腫)のです。多く取りすぎた塩分、正確にはNa(ナトリウム)ですが、ナトリウムを多く含んだ血液は腎臓を通過し、そして腎臓はナトリウムを排除します。この時に腎臓の働きが低下しているとナトリウムを排除出来ず、余分なナトリウムは血液中に残ってしまいます。そうするとナトリウムは水分も一緒につかまえて血液中に残るわけですから、血流量は上がりそして血圧をあげることになります。
腎臓は細い血管の集まった臓器です。細い血管に高い圧の血液が長い期間流れることは大変な負担となります。酷い状態となると血管が詰まってしまい、腎臓の働きを大きく下げることになります。
腎臓は内部環境の調節機構として大きな役割をになっているのです。ナトリウム、つまり電解質の調節にはアルドステロンと、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のホルモンが関わっています。アルドステロンはナトリウムの再吸収を促し、ANPは尿細管でのナトリウムの再吸収を抑制しています。ですから、腎臓の器質的な破壊によるだけでなくホルモン性の疾患によっても著しい異常が起こりうるのです。

⑶ 血液つくる
腎臓によって出されるホルモンに「エリスポエチン」があります。これは骨髄のなかにある細刺激し、それによって血液が作られます。この機能が低下すると貧血になります。

⑷ 体液量、イオンバランスを調節する
⑵の血圧の調整とも繋がりますが、腎臓が調整に関わっている電解質はナトリウムだけではありません。カリウムイオン(K+)、水素イオン(H+)、クロムイオン(C-)、重炭酸塩(HCO3)そしてナトリウムイオン(Na+)。これらの四つの成分は電解質平衡の異常を知るために測定されます。腎臓を経て移動する電解質はこれら全てを含んでいます。
この電解質の体内のバランスが崩れると様々な弊害があらわれることになりますが、その中の一つに脚のつりがあるのです。


2 筋力の機能
筋肉の働きと電解質にはとても大きな関連があります。特にナトリウムイオンは筋肉だけでなく神経刺激伝達作用があります。突き詰めていくと我々の身体は小さな細胞でできています。その細胞には「細胞膜」とよばれる膜があり、そこをナトリウムイオンとカリウムイオンが出入りすることで電気信号となり、刺激として伝達されるのです。

⑴ 筋肉におけるナトリウムイオンの働き
ナトリウムイオンには筋肉の収縮と弛緩を調節する働きがあります。筋肉細胞の外側(これを組織間液中といいます)にあるナトリウムイオンが筋肉細胞内へ移動すると筋肉が緊張して収縮します。この筋肉細胞と筋肉細胞の外側にある電解質信号がうまくなされないと、筋肉が異常に緊張して収縮したり硬直し、足がつるのです。

⑵ 脚のつりとはなにか
この「つる」という状態は筋肉の異常な痙攣です。筋肉が自分ではコントロールできない状態で緊張して収縮し、硬直します。そして強烈な痛みを伴います。特に睡眠中は無意識に伸びをしていますのでつりやすいのです。

3 老廃物の処理ができないと脚はつる

腎臓は体内のバランスを調節するために非常に重要な役割を担っています。腎臓病とはその働きが十分になされなくなった疾患の総称です。腎臓の機能が低下すると水分、電解質、血圧の調整ができなくなります。また血液が作られなくなり貧血にもなります。
特に脚のつりは体内の電解質バランスが崩れているというサインでもあります。腎臓で行われる老廃物の処理がなされないと、筋肉の緊張と収縮の働き関係するナトリウムイオンなどの電解質バランスが崩れます。そうすると脚がつったり身体がむくんでしまったり、様々な症状が現れます。

自分で尿を確認することで腎臓のチェックをすることができます。
目視で、排泄の際に尿が泡立っていたり赤褐色調になっていたら、尿中にタンパク質が排出されていたり血液が混じっている可能性があります。

激しい運動をしているわけではないのに一週間に一度以上脚がつったり、目視でわかるほど尿が変化している場合には内科受診を強くお勧めいたします。腎臓は不可逆な臓器ですから、一度悪くなってしまうと組織は再生することが出来ません。二つあるからと安穏とせず、病気を早期に発見するためにも是非セルフチェックを継続して行っていただきたいと思います。